最近、肌の質感としてごわつきやくすみの無い、透明感のある肌が人気になっており、ピーリングケアが注目を集めています。ピーリングを角質ケアと表現した美容液はホームケアでも取り入れやすく、また美容クリニックで出来る施術の中で、比較的ダウンタイムが少なく、痛みも最小限で美肌が手に入るというイメージもあります。そこで今回は、ピーリングに使われる主な成分の解説と、TriBeauteがおすすめするピーリング系原料をご紹介します。
そもそもピーリングとは?

ピーリングは、古い角質を除去し、肌のターンオーバーを促進するスキンケアまたは治療法のことを指します。主に酸系の成分を使うことで角質細胞の結びつきを緩め、自然な剥離を促します。これにより、くすみ改善、毛穴詰まりの解消、ニキビケアなどの効果が期待できます。医療機関ではより強力なピーリング剤を使用し、深層レベルの肌再生を目的とすることもあります。
ピーリングに使われる主な成分は?
AHA(アルファヒドロキシ酸、Alpha Hydroxy Acid)
★肌への刺激の強さ:低〜中(成分や濃度による)
水溶性で肌の表面に作用し、角質を柔らかくして剥離を促進する系の成分です。ターンオーバーを促進し、肌のキメを整える効果と保湿効果が期待できるので、乾燥肌やくすみが気になる人におすすめです。天然の果物や植物に多く含まれる有機酸であるため、「フルーツ酸」とも呼ばれます。
AHAの中にはいくつか種類があります。
「グリコール酸」(Glycolic Acid)
★肌への刺激の強さ:中〜強(濃度やpHによる)
角質層の細胞同士を繋ぐ「デスモソーム」と呼ばれる部分を分解することで、角質を剥がれやすくします。水溶性で、比較的肌の表面に作用しますが、コラーゲン産生を促し、肌のハリや弾力向上にも効果が期待できます。
「乳酸」(Lactic Acid)
★肌への刺激の強さ:中(グリコール酸よりは穏やか)
角質を剥がれやすくし、肌のターンオーバーを整えるのに加えて、水分保持効果もあるので、保湿効果も期待できます。比較的肌に優しく、敏感肌向けのピーリング剤に使用されることも多いそうです。
「マンデル酸」(Mandelic Acid, MA)
★肌への刺激の強さ:低〜中(穏やかで敏感肌向け)
分子が大きいため、肌への浸透が緩やかで、刺激が少ないと言われています。ニキビや色素沈着の改善に効果的で、サリチル酸ほどではないですがAHA類の中では、ある程度の脂溶性を持ち、毛穴にも効果は期待できます。
AHA以外のピーリング成分
サリチル酸 (Salicylic Acid, SA, BHA)
★肌への刺激の強さ:中〜強(脂溶性のため、皮脂が多い部分にはやや強い刺激)
脂溶性のため、毛穴の奥まで浸透し、詰まった皮脂や角栓を溶解することができます。また、抗炎症作用があるので、ニキビや脂性肌向けによく使用されています。皮脂の多いTゾーンなどにおすすめですが、乾燥肌には刺激が強い場合も。
リポヒドロキシ酸(Lipo-Hydroxy Acid, LHA)
★肌への刺激の強さ:低〜中(BHAよりも穏やか)
サリチル酸の誘導体で、脂溶性のため毛穴の奥に浸透しやすいという特徴があります。通常のサリチル酸よりもマイルドに角質を剥離し、穏やかなピーリング作用を持つ一方で、抗炎症作用や抗菌作用があるので、ニキビ肌や脂性肌の中でも敏感肌寄りの人におすすめです。
→最近美容クリニックで人気の施術「ララピール」の主成分です。
トリクロロ酢酸 (Trichloroacetic Acid, TCA)
★肌への刺激の強さ:非常に強い
タンパク変性作用があり、肌表面の古い角質を剥離させることができる強力なピーリング成分です。高濃度では皮膚の深部まで作用し、施術後のダウンタイムが長いので、医療機関での施術のみに使われています。
→美容クリニックのコラーゲンピール(マッサージピール)にはTCAが含まれています。
フィチン酸 (Phytic Acid, PA)
★肌への刺激の強さ:低
ピーリング作用は穏やかで、ゆるく肌のくすみを軽減してくれるようなイメージです。抗酸化作用やメラニン生成を抑制する効果があるので、肌の老化予防にも効果的です。

刺激の強さや効果感はもちろん処方や濃度により異なりますが、ざっくり分けるとこのような感じになっています。
TriBeauteがおすすめするピーリング原料
TriBeauteがおすすめするピーリング系原料は、肌の角質を強力に剥がすというよりも、角質細胞同士の結びつきを若干緩めることで、自然な剥離を促す「マイルドピーリング」効果があるものになります。比較的肌が弱めの方にも使いやすいピーリングケア商品が作りたい、という方にはとてもおすすめです。
「EXO-T(エグゾ・ティー)」

皮膚の角質細胞同士を結合している接着分子を分解する酵素KLK(カリクレイン関連ペプチダーゼ)の働きを活性化することで、皮膚の剥離を促し、ピーリング効果をもたらします。その効果はレチノイン酸よりも強力ですが、同時に角質細胞を取り巻く組織である、CE(コーニファイドエンベロープ)を成熟させる効果もあるので、バリア機能が過剰に衰えてしまうという懸念をクリアしています。
「Perfection Peptide P3(パーフェクションペプチド ピースリー)」

角質細胞間の接着分子であるデスモグレインの結合部分を模倣したペプチドで、代わりに結合してしまうことによって、細胞同士の結合を弱め、自然なピーリング作用を引き起こします。
酸を使ったピーリングよりもマイルドで肌の保湿感や水分感はキープできるという点が大きな特徴です。
以上、主流なピーリング成分と、TriBeauteおすすめのマイルドピーリング原料をご紹介致しました。このほかにもピーリング後のアフターケアにおすすめの原料(赤みを瞬時に抑える、肌バリア機能を成熟する)なども合わせて提案可能ですので、ご興味のある方はお気軽にお問合せ下さい。